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オンラインコマース(ファッション・生活用品)

CS問い合わせの分類と週次レポートの自動化

5つのチャネルに散らばった月6,000件の顧客問い合わせを1つのキューに集めて自動分類し、定型の問い合わせには返信の下書きを作り、遅延案件はリーダーへ上げ、週次レポートを代わりに書くAX転換プロジェクトです。

CS問い合わせの分類と週次レポートの自動化

背景

お客様はファッション・生活用品を扱うオンラインコマースで、自社サイト、Naverスマートストア、Coupang、カカオトークチャネル、メールの5つのチャネルで問い合わせを受けています。月6,000件、セール期間には9,000件が届き、CS担当者は4人です。

問い合わせはチャネルごとに別々に溜まっていました。担当者は毎朝チャネルを1つずつ開いて新しい問い合わせをスプレッドシートに転記し、種別と担当者を手で書き込んでいました。この作業だけで1日6時間(4人 × 1.5時間)かかっていました。配送事故や決済エラーのような急ぎの案件が一般の問い合わせに紛れて週末を越えることがあり、リーダーは毎週金曜の午後をチャネル別の数字を集めて報告書を作ることに費やしていました。どの問い合わせがなぜ増えたのかは、「最近交換の問い合わせが多い気がする」という感覚でしか分かりませんでした。

つくったもの

プロジェクトの目標は「チャットボットを付けること」ではなく、担当者が問い合わせを探して転記して分類する時間をなくし、返答して判断する時間だけを残すことでした。5つのものを作りました。

1. 1つのキューに集める

5つのチャネルの問い合わせを5分間隔で取り込み、1つのキューに蓄積します。スマートストアとCoupangは販売者API、カカオトークチャネルは相談API、メールは受信箱のパースで接続しました。同じお客様が2つのチャネルから送った問い合わせは注文番号と連絡先で束ね、1件として表示します。ヘルプデスクは新たに導入せず、すでに使っていたツールをそのまま残しました。

2. 分類エージェント

届いた問い合わせごとに3つのラベルを付けます。

  • 種別12個:配送照会、配送遅延・事故、交換・返品、決済エラー、商品の質問、再入荷、クーポン・ポイント、アカウント・ログイン、レビュー・評価、大量購入、パートナー提案、その他
  • 緊急度3段階:配送事故・決済エラー・個人情報関連は即座に「緊急」
  • 担当チーム:CS、物流、決済・精算、MDのいずれか

本文から注文番号を見つけて注文システムを照会し、注文・配送状況を問い合わせに添付しておきます。担当者が別途検索する必要はありません。確信度の低い問い合わせは無理に分類せず、「要確認」として人が指定するようにしました。

3. 定型問い合わせの返信下書き

配送照会、再入荷案内、クーポン・ポイント、交換・返品手続き、アカウント、領収書発行の6種別は、返信の下書きをあらかじめ作っておきます。注文情報と配送状況が入った文章なので、担当者は読んで直して送るだけです。下書きは人が確認するまで絶対に送信されません。

4. エスカレーション

緊急案件は30分、一般案件は営業時間ベースで4時間以内に返答がなければ、リーダーのメッセンジャーに通知が届きます。通知には問い合わせの要約とすぐ開けるリンクが含まれます。

5. 週次レポート

毎週月曜08:30に、先週の問い合わせをまとめたレポートがリーダーとMDチームに送られます。種別ごとの件数と推移、チャネル別の返答時間、繰り返し問題の上位5件、そして各問題の推定原因(どの商品ページ、どのプロモーションで問い合わせが集中したか)と関連する問い合わせへのリンクが含まれます。

導入の流れ

期間 実施内容
1〜2週 過去3か月の問い合わせ2万件を分析し、12の種別と緊急基準を定義。担当者4人と一緒に基準をすり合わせ
3〜6週 チャネル接続と分類エージェントの構築。人の分類結果と並べて比較するシャドーモードで2週間運用
7〜10週 返信下書き、エスカレーション、週次レポートを追加。担当者のフィードバックで種別基準を3回修正
11〜12週 運用移管。担当者教育、モニタリングダッシュボード、分類基準の修正ガイドを引き渡し

シャドーモードの2週間で、人の分類と比較した精度は当初の87%から基準を整えた後に94%へ上がりました。残りの6%は「要確認」として表示され、人が指定します。導入後も月1回、種別基準とルールを一緒に点検しています。

担当者の1日がどう変わったか

導入前、担当者の朝は5つのチャネルを回って問い合わせを転記する1時間半から始まっていました。今はキューを開けば、すでに種別と緊急度が付き、注文情報が添えられた問い合わせが優先順位順に並んでいます。定型の問い合わせは下書きを確認して送り、残った時間は交換・返品のトラブルや大量購入の相談のように、人が判断すべき仕事に使っています。

リーダーは金曜の午後を取り戻し、月曜のレポートで「先週の交換問い合わせ40件のうち31件が特定商品のサイズ表の誤りによるもの」といった原因をすぐに確認できます。その商品ページを直した後、該当する交換問い合わせは週5件に減りました。

以下の表は、業務ごとに導入前と導入後を比較したものです。

成果

  • 42%

    初回返答時間の短縮(平均3.1時間 → 1.8時間)

  • 6時間 → 0

    毎朝5つのチャネルを回って問い合わせを転記していた手作業(4人 × 1.5時間)

  • 4時間 → 10分

    週次レポート。金曜午後にリーダーが作っていたものを、月曜朝の確認のみに

  • 94%

    自動分類の精度。残り6%だけを人が指定

  • 5チャネルの問い合わせ集約

    導入前

    担当者4人が毎朝、自社サイト・Naverスマートストア・Coupang・カカオトークチャネル・メールを順に開き、スプレッドシートへ転記。1人あたり1.5時間

    導入後

    5分間隔で自動収集され、1つのキューに蓄積。手作業なし

  • 問い合わせ種別・担当チームの分類

    導入前

    1件あたり1〜2分。人によって基準が違い、同じ問い合わせが別のチームに回る

    導入後

    12種別・緊急度3段階・担当チームを自動付与。確信度の低い6%だけ「要確認」として人が指定

  • 注文・配送状況の確認

    導入前

    本文から注文番号を探し、注文システムで検索。1件あたり3〜5分

    導入後

    注文番号を自動抽出し、注文・配送状況を問い合わせに添付。検索せずにそのまま返答

  • 定型問い合わせへの返信(配送照会、再入荷、クーポン・ポイントなど6種別)

    導入前

    マクロを探して貼り付け、注文情報を手で埋める。1件あたり5〜8分

    導入後

    注文情報入りの返信下書きが問い合わせに付いている。確認・修正して送信まで1分前後

  • 緊急案件(配送事故、決済エラー、個人情報関連)の発見

    導入前

    担当者が偶然見つける。週末を挟むと1日以上埋もれる

    導入後

    受付と同時に緊急として表示。30分以内に返答がなければリーダーへメッセンジャーで通知

  • 初回返答までの時間

    導入前

    平均3.1時間、繁忙期は最大1日

    導入後

    平均1.8時間。4時間を超えた一般問い合わせは自動でリーダーへエスカレーション

  • 週次レポートの作成

    導入前

    リーダーが金曜午後の4時間でチャネル別の数字を集め、スライドにまとめる

    導入後

    月曜08:30に種別ごとの推移・返答時間・繰り返し問題トップ5を含むレポートが自動送信。リーダーは10分確認して共有

  • 繰り返し問い合わせの原因究明

    導入前

    担当者の感覚で推測。「最近交換の問い合わせが多い気がする」程度

    導入後

    レポートが商品ページ・プロモーション単位で原因を指摘。例:サイズ表の誤りで週40件だった交換問い合わせが、修正後は週5件に減少

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